平成23年度 新居浜工業高等専門学校入学式が開催
2011年4月7日
平成23年(2011年)4月7日、平成23年度新居浜工業高等専門学校入学式が開催されました。燧会会長である長谷部健介が、同窓会代表として祝辞を述べました。
入学式の様子
祝辞(動画版)
祝辞(テキスト版)
ご挨拶に先立ちまして、この度の地震により亡くなられた皆様、被災された皆さまに、心からお悔やみとお見舞い申し上げます。また、被災地が1日も早く復旧されますよう心からお祈り申し上げます。
ご入学祝辞
皆さん、本日は新居浜高専ご入学おめでとうございます。
本日のご入学は、皆さんが新居浜高専合格を目指し、日夜頑張ってこられた努力の結果 であり、心よりお祝い申し上げます。また本年は、記念すべき創立以来第50回目の入学式でもあります。重ねてお慶びを申し上げます。ご父兄の皆様、ご来賓 の皆様、そして新居浜高専教職員の皆様、本日は栄えある入学式にお招き頂き大変ありがとう御座います。
本日から皆さんは、晴れて新居浜高専の学生となられるわけでありますが、同時に同窓会であります「燧会」の会員ともなられました。わが母校の創立が昭和37年(1962)でありますので、まさに半世紀の時間を結ぶ新しい絆がここに生まれたわけであります。
燧会を代表し、また、同窓生のひとりとして歓迎いたしたいと思います。
最初に、燧会について少しお話をさせて頂きたいと思います。燧会は新居浜高専に在学した人で組織されておりますが、皆さんの先輩である母校卒業生は すでに6000人を超え、活躍の場も技術関係は勿論のこと、政治、行政、医師、会社経営、あるいは自分で事業を興された方など多岐に亘り活躍されており、 その地域も国内にとどまらず、世界を舞台に展開されております。
また、世代としても社会のあらゆる経験を積んでこられた方々、現在社会の第一線で 活躍中の皆さん、またこれからの社会を担って行く皆さん、そして皆さんのように社会へ出て行くための準備をされている方々の集まりであります。新居浜高専 同窓というキーワードで結ばれた会でありますので遠慮なく利用していただければと思います。
さて、本日のよき日にあたり、2つのことをお願いし、ご挨拶に変えさせて頂きたいと思います。
1つめは、皆さんはこれからの学業の中で、専門的な技術や理論を身につけていくことになりますが、これらの学問の習得は勿論ですが、それ以外に、自ら創造する精神を培い、課題を客観的に分析し解決する習慣、を身につけて頂きたいということであります。
私はテレビで高専ロボコンをよく見ますが、各チームの独創的なアイデアに目を見張るばかりです。大会自体は競技ですからその時の運、不運もあり、勝 敗が決まりますが、それより、大会に出場するまでに苦労をしたエピソードが大変面白いと思います。決められた条件、ルールの中で、創造的なアイデアを集約 し、理論に裏づけされた設計を行い、試作を行い試行錯誤しながら課題を解決し、完成度を高めていく、そういうプロセスを大変興味深く見ております。将来皆 さんが携わる企業活動においても「ものづくり」の基礎となる部分であり、メイドインジャパンが世界のトップを走っているのは、創造する精神、課題を客観的 に分析し解決する習慣に基づく、こういうプロセスの蓄積に他ならないと考えております。
2つめはこの新しい出会いを大切にしてほしいと言う事であります。 皆さんは県下各地から、あるいは県外から専攻学科は違えども、同様の志を持ってこの新居浜に集いました。そこには先輩も大勢おります。これから教えを受ける先生方との出会いも待ち構えています。
この出会いはおそらく皆さんの人生の中でも大きな意味をもつものになると思います。友とともに語らい、師に教えを乞う中で、やがて生涯を通して付き 合う人ができてくるでしょう。また、皆さんの中には早速寮生活を送られる方が多数おられると伺っております。ちょっと旧いですが「同じ釜の飯を食った仲」 という言葉があります。学校生活や、寮生活を共有したことで将来社会に出ても不思議な連帯が生まれ、仕事や遊びでお互いに胸襟を開いて話し合えるもので す。
先ほどの燧会が縦の絆とすれば、この出会いは横の絆であります。縦横の絆をしっかり結ぶことが、これもまた皆さんにとって将来の大きな財産となるこ とは、間違いありません。是非この出会いを大切にして、学校活動や、趣味や遊びを通して、多くの仲間と接して頂きたいと思います。
最後になりますが、本日、希望に燃えた皆さんの輝くお顔を拝見しまして、私自身大変心強く感じ、また元気を頂きました。しかし、これから物事に挑戦 してゆく中では失敗もたくさんあると思います。あふれる青春のエネルギーを注ぎ込んで「失敗」をいっぱい経験して頂きたいと思います。やがてそれらの経験 は皆さんの貴重な人生の糧となって行くはずであります。今日の気持ち忘れず、目標の実現に向かって絶えず工夫し、チャレンジし続けて頂きたいと思います。
これから始まる学生生活が、皆さんに一人ひとりにとって、有意義で楽しいものになることを祈念いたしましてお祝いの言葉に変えさせて頂きます。おめでとう。
2011年04月07日
新居浜工業高等専門学校同窓会 燧会々長 長谷部健介